川重車両協同組合(タイトル)
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鉄道の歴史


1.鉄道の起源と発展の過程

1872年〜

 

日本初の蒸気機関車と貨車の模型 日本の鉄道はイギリスの技術指導により、蒸気機関車、客車、貨車を輸入し、1872(明治5)年に開業した。当時は輸送量も少なく、経費の面からレール間の幅は狭軌(1,067mm)とされ、車両も小形のものが使用された。火山帯上の狭い土地で地形も急峻であり、狭い海岸線寄りの平地に多数の人々が住み、国力も乏しいという、自然的、経済・社会的条件のもとで曲線や勾配が多く、負担荷重も少ない線路が敷かれた。先進諸国をはじめ世界の多数の国で採用している標準軌(1,435mm)より狭い軌間を採用したことは、その後の高速、重量輸送に対応すべき車両の設計面で大きなハンディを負うことになった。のちに、何度が標準軌への改軌論議が出され、車両側でも動力車を除いた客車、貨車、電車の付随車などには標準軌用の長い車軸を使用しておき、改軌時に速やかに対応でさるようにしていたが、ついに実現にはいたらなかった。

大阪〜神戸間鉄道開通式(明治7年)

1906年〜

 

9900形テンダ機関車 1923年製 輪送量の増大にともない狭軌鉄道のハンディを少しでも緩和するため、車体を欧米並みに大形化したり、機関車の動輪直径も大きくするなどの努力が重ねられたが、いずれの場合も重心が上り、軌間が狭い分だけ安定性が悪くなるのをいかに克服する方が設計上の大きな課題であった。新橋=横浜間の開業以来、約30年間は各地で民営鉄道が建設され、競って車両の輸入・改良が行なわれ、路面電車なども輸入されたが、1906年国策により、主要路線の全国統一運営のメリットを発揮するため私鉄の買収が行なわれ、以後車両、施設とも標準化が進められた。さらに技術力の向上により、1910年代には機関車も本格的な国産化が可能となり、独特の日本形車両が設計製作されていくようになった。輸送力の向上と安全確保のため、1925年には従来からのねじ式連結器を、短期間に自動連結器に一斉に取り替えた。また、客車・電車を木製から鋼製とする改良が行なわれた。

 

1927年〜

 

 鉄道車両技術は日本の重工業技術の発展にも大きな役割を果たしてきた。1927年には初の地下鉄車両がつくられ、1930年代には高速化への研究開発が活発となり、超特急列車の運転開始、流線形車両の開発、機関車の出力増強などが行なわれてきた。リベット組み立てから全溶接へ、大形の鋳鋼製部品の鋳造などへと技術が進展したが、戦線の拡大とともに極端な物資欠乏に陥り、戦時設計を余儀なくされ、代用材使用の車両が細々と製作された。

 

 

1950年〜

 

EF61形直流電気機関車 1961年製 戦後の復興がすすみ、1950年代に入ると、交流電化や高速化に対応する車両が設計された。同年代後半になると急増する都市部の通勤・通学輸送に応じるため、高加速・高減速性能をもつ電車が必要とされるようになり、国鉄、私鉄ともに、つぎつぎと高性能の電車を登場させた。電車による長距離の運転を成功させた国鉄では、電車・気動車を主体とする、世界でも類例のない動力分散優先の車両体系を確立した。

 

 

1975年〜

 

223系1000代直流近郊形電車 1995年製 石油・石炭の大半を輸入に頼っている日本のエネルギー資源の実情にそって、鉄道車両も当然、エネルギー効率の高いものが求められ、より経済性の高い車両への転換が積極的に進められた。蒸気機関車を廃止し、電化・ディーゼル化を計る長期の動力近代化計画を、1975年に完了させ、創業以来100年間、日本の鉄道を牽引してきた蒸気機関車の歴史に終止符が打たれた。高度成長にともない、輸送需要は質量ともに多様化、増大の一途をたどり、さまざまの用途に適合した車両が開発された。ステンレスやアルミニウムなどの新しい材料を使用して車両の軽量化も進んだ。この時期にみられる車両技術の進歩では電気車両を効率よく制御し、性能の向上とエネルギーの節約に寄与したさまざまの省エネルギーシステムがあり、これらは、電気車両の長所をいかんなく発揮させたものである。

 

 

現在

 

 一方、東海道新幹線の具体化にともない長年の技術の蓄積に加え、新たな研究開発の成果として、1964年標準軌による国鉄初の高速電気車両である新幹線電車が誕生した。標準軌の電車は以前から一部の私鉄において使用されていたが、新幹線車両はあらゆる面で日本の鉄道車両の枠を破った画期的な車両であり、日本の鉄道車両技術の水準の高さを内外に示した。1982年には全国新幹線網の一環として東北・上越新幹線が開業し、現在時速240km/hの営業運転が行なわれているが、今後一層の速度向上が検討されている。また、在来線においてもよりいっそうの高速化をめざす車両の開発が着々とつづけられている。そして、近年ではコンピュータシミュレーションやエレクトロニクスを応用した設計が行なわれるようになっている。

「筑摩書房 ビジュアル版 日本の技術100年 造船 鉄道」より抜粋


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